山中温泉の3つ楽しみ方。松尾芭蕉も認めた石川の名湯に癒やされよう
石川県 温泉公開日 : 2020年11月01日 | [更新日] 2025年02月01日
開湯1300年の歴史を持つ山中温泉は、日本有数の温泉地として全国に知られています。
石川県と福井県の県境に位置し、四方を山に囲まれ、渓谷沿いには豊かな自然が広がる景勝地です。
かつて松尾芭蕉がこの地を訪れ、泉質の良さを絶賛したと言われています。
今回は、お湯や絶景だけでなく、伝統工芸品や風情あふれる街並みの散策など、このエリアの魅力をお伝えしたいと思います。
このエリアへの旅行を計画されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.山中温泉の歴史とは?
奈良時代に、行基という僧侶が加賀の神社を訪れました。そこで山中の老僧に出会い、「人の病気を治す温泉がある」と教えてもらい、その地を掘ってみると、温泉が湧いたそうです。
それ以来、多くの人がここに来て病気や疲れを癒したと言われています。
それから何百年もの時を経て、温泉は廃れ、山は本来の静けさを取り戻していました。
鎌倉時代の武士、長谷部信連が、山間部の小さな小川で白鷺が傷を癒しているのを見つけ、再び掘ってみると、美しい温泉が湧き出てきました。
これが山中温泉旅館の起源と言われています。
松尾芭蕉が認めた泉質
松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の途中で山中を訪れた際、この地を愛し、草津、有馬と並ぶ「三大名湯」の一つと讃えました。
名句「山中や 菊はたおらじ 湯の匂ひ」には、「山中温泉に浸かれば不老長寿の霊薬である菊の湯を飲まずに済む」という意味が込められており、日頃の疲れを癒すだけでなく、健康と若返りの湯としても楽しむことができます。
2.渓谷沿いをお散歩しよう
恵まれた自然の中を散策し、渓流を間近に眺めれば、一日の疲れも癒されます。
有名な「鶴仙渓」を散策しながら、自然のパワーを感じてくださいね。
鶴仙渓の下流域にかかる「黒谷橋」へ。
木造の橋は石橋に架け替えられていますが、今でも美しい姿を保っています。
松尾芭蕉はこの地について「歩く喜びはここにある」と詠んでいます。
橋のたもとには芭蕉堂が建てられています。
芭蕉がこの地を絶賛し、全国の俳人たちが1910年(明治43年)に芭蕉堂を建て、2010年(平成22年)には角千景遊歩道とともに100周年を迎えました。
あやとり橋
川沿いの南北遊歩道を散策すると、ハーセン峡の美しさを映し出す「あやとり橋」を見ることができます。
S字型の橋の鮮やかな赤紫色が目を引きます。
歩道から見上げると、その美しい景色に引き込まれそうです。
あやとり橋の近くには、近くの滝の音や小鳥のさえずりが心地よく響く河川敷があります。
ここでは、山中温泉出身の和食の達人「道場六三郎」がプロデュースしたスイーツを楽しむことができます。
川のせせらぎを聞きながらスイーツを楽しめば、優雅な気分になれます。
こおろぎ橋
遊歩道をさらに進むと見えてくる、歴史を感じさせる木製の橋が「こおろぎ橋」です。
橋の両岸には木や奇岩、石が密集しており、橋の道が危険であることから「行路危」と名付けられたと言われているほか、秋の夜長にチビッコの鳴き声が聞こえたことに由来していると言われています。
鶴仙渓の見どころをもっと知りたい方には、無料ボランティアの「しらさぎガイド」がおすすめ。
紅葉の季節の4月から11月までの毎日、黒谷橋~芭蕉堂~あやとり橋~こおろぎ橋までの約1.3kmのコースを、山中温泉の見どころや歴史に沿って案内してくれます。
3.山中温泉で疲れを癒そう
散策や観光で疲れたら、休憩所で一息つきませんか?
源泉を利用した銭湯や足湯で一休みしてリフレッシュしましょう。
山中温泉のシンボル「菊の湯」
地元の人たちの社交場として愛されており、昔ながらの銭湯の情景を見ることができます。
湯船の壁には、山中温泉の「縁起物絵巻」の九谷文様が描かれており、歴史を感じながら湯船に浸かることができます。
菊の湯の前には飲泉口があるので、温泉に浸かるだけでなく、温泉を楽しむこともできます。
また、キッチンカウンターで売っている卵を使って温泉卵を作ることができるのも楽しみの一つです。
卵ができるまでには40分から50分ほどかかるので、その間にお風呂に入って待つのもいいかもしれません。
男湯と女湯の間には、巻き上げ時計のある大きな広場や、源泉を利用した足湯、イベントが多い公会堂「山中座」があり、観光客で賑わっています。
お茶の香りただよう「加賀棒茶サイダー」
温泉卵と加賀棒茶サイダーに浸かって、山中温泉の目利きになりましょう。
山中座の売店で購入できます。
ご夫婦やご家族でのご宿泊はもちろん、日帰りで山中温泉に行って散策するのもいいですね。
心身ともに感動に満ちた山中温泉の魅力に包まれることでしょう。
山中温泉への交通アクセス
北陸自動車道加賀ICより国道8号・364号を約12.5km、 または、JR加賀温泉駅より加賀温泉バス(温泉山中線)で30分、山中温泉バスターミナルを下車。
県外から加賀温泉駅まではJRでの移動が可能です。
■東京から
[東海道新幹線~北陸本線]米原経由・・・3時間50分
[上越新幹線~ほくほく線・北陸本線]越後湯沢経由・・・4時間30分■名古屋から
[東海道・北陸本線/しらさぎ]米原経由・・・2時間20分
■大阪から
[北陸本線/サンダーバード・スーパー雷鳥・雷鳥]湖西線経由・・・約2時間10分
■博多から
[山陽新幹線~新大阪経由~北陸本線]・・・約5時間
山中温泉まとめ
山中温泉の見どころやおすすめスポットを紹介してみました。
前述したように、東京や名古屋、大阪からもアクセスしやすいので、小旅行にも最適です。
美しい自然の中を散策すれば、静かな時間を過ごすことができます。
趣のある街並みの雰囲気を楽しんだ後は、お風呂につかってみましょう。
心も体も癒されます。石川県屈指の温泉にぜひ足を運んでみてください。