ひめゆりの塔のバリアフリー観光情報。沖縄の忘れてはいけない観光名所
沖縄県 観光公開日 : 2020年07月14日 | [更新日] 2024年12月01日
ひめゆりの塔は、沖縄を代表する観光スポットの一つです。
修学旅行でこの塔を訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。
沖縄には独特の文化や美しいビーチがあり、古くから観光客を魅了してきました。
しかし、忘れてはならない戦争の痛みを象徴する建物もたくさんあります。
ひめゆりの塔は、戦争の恐ろしさや平和であることの大切さや幸せを観光客に思い出させてくれます。
戦争について知ることができ、また同じ過ちを繰り返さない方法を学ぶことができる場所なので、多くの人にこの「ひめゆりの塔」を紹介したいと思います。
1.沖縄戦とは?
ひめゆりの塔を説明する上で欠かせない沖縄戦は、太平洋戦争末期の1945年3月26日から9月23日にかけて、米連合軍を中心とした米軍と日本軍の間で行われた凄惨な地上戦です。
正確な犠牲者数は明らかになっていませんが、日本人188,136人、アメリカ人12,520人、そのうち沖縄県出身者は122,228人で、20万人以上の犠牲者が出たとされています。
捨て石作戦とは?
沖縄戦は、本土決戦のために師団が中国(当時の満州から)から召集されていました。
沖縄戦が「捨て石作戦」と呼ばれたのは、日本の本土から沖縄に師団を派遣することは「ありえない」とされていたからであり、本土決戦のための時間稼ぎが目的だったからです。
降伏は絶対に許されず、民間人を巻き込んだ持久戦となり、民間人の犠牲者も多く出ることになりました。
2.ひめゆりの塔とは?
ひめゆりの塔は、沖縄戦で戦死した生徒や教師のための慰霊碑です。
太平洋戦争末期、アメリカの沖縄侵攻の際、沖縄県民は日本軍に従軍せざるをえませんでした。
その際、軍が中心となって女性学徒隊の看護訓練を行ったとされています。
女子学生隊は8つあり、そのうち「ひめゆり学徒隊」は沖縄師範学校と沖縄県立第一高等女学校の教職員と生徒で結成され、塔の名を冠していました。
女子生徒は240人で、そのうち教員は18人でした。
当時は他にも白梅組、名護蘭組など8組があったといいます。
「ひめゆりの塔」は小説や映画化されていますが、他にも多くの女子生徒が戦争に参加されていたそうです。
「ひめゆり」の由来
ひめゆり学徒隊の「ひめゆり」という言葉は、沖縄県立第一高等女学校の広報誌「乙姫」と、同校に付属していた沖縄教員女学校の広報誌「白百合」を組み合わせたものが由来だそうで、「ひめゆり」という言葉がひらがなで使われるようになったのは戦後になってからです。
ちなみに植物「ひめゆり」とは何の関係もなく、戦時中は漢字で「姫百合」と書かれていましした。
戦後、「乙姫」と「白百合」の両校の生徒と教師が動員され、「ひめゆり学徒隊」と呼ばれるようになりました。
3.ひめゆりの塔の見どころ
ひめゆりタワーの見どころをご紹介します。
名前や場所は知っていても、ひめゆりの塔がどのようにして建てられたのか詳しく知っている人は少ないでしょう。しかし、日本の歴史の中で悲惨な時代を思い起こさせてくれる貴重な場所です。
「ひめゆりの塔」が建てられた時期
ひめゆりの塔は、かつて学徒隊であった学生の家族によって建立され、終戦から1年後の1946年4月7日に除幕されました。
戦後間もない時期に建立されたため、塔の高さは数十センチしかない小さなモニュメントです。
その理由は、終戦直後で物資の入手が困難であったことと、アメリカ軍の支配下にあったために建てられた塔であることが挙げられます。
ひめゆりの塔は、戦争で亡くなった学生の両親の慰霊碑で、遺骨が掘ってあったそうです。
建てられた塔の中では最も古いものの一つですが、沖縄の慰霊碑の中では最も古いものではありません。
1949年に作家・石野圭一郎の小説でこの碑にまつわる逸話が発表され、演劇や映画化もされ、戦争による沖縄の惨状を象徴しています。
ひめゆりの塔は、その初期のものだけでなく、映画化もされ、日本を代表する戦争の名所となっています。
献花売り場
ひめゆりの塔の左手にある小屋では、記念館前の献花台で1束200円で花を購入することができます。
献花は強制ではありませんし、小屋はひめゆりの塔とは関係ありませんが、献花をしたい場合はこちらで購入すると便利です。
伊原第三外科壕跡
塔と慰霊碑の間にある伊原第三外科壕跡は、沖縄戦の過酷さと悲惨さを象徴しています。現場にガス爆弾が投下され、多くの人が犠牲になりました。
ここに避難していた100人のうち80人以上が亡くなり、ひめゆりの生徒50人のうち42人もここで命を落としています。
ひめゆり平和祈念資料館には、井原第三外科壕にいたヒキガエルのジオラマが展示されています。
4.ひめゆり平和祈念資料館
ひめゆりの塔に隣接する「ひめゆり平和資料館」は、沖縄戦の歴史をさらに深く知ることができます。
1989年6月23日に開館したこの資料館には、戦争最大の犠牲者となった第三外科医ゴウを下から見上げた実物大のジオラマや、「2000人以上の重傷者の自殺の場」と刻まれた海原陸軍病院の壕の一部の実物大模型などが展示されています。
日本で戦争を体験した人が少なくなっている中、「ひめゆり平和資料館」は重要な存在となっています。
館内の展示物は、戦争を体験した人たちの証言をもとにしたもので、わかりやすく展示されています。
この資料館が、過去を知るきっかけになれば幸いです。
館内には6つの展示室があります。
6つの展示ホール
ひめゆり第一展示室
青春を謳歌していたはずの学生たちの平和な生活が戦争によって奪われていると思うと心が痛みます。
ひめゆり第二展示室
ひめゆり学生240人が看護師として動員された沖縄陸軍病院のジオラマや、病院内での活動の様子も展示しています。
ひめゆり第三展示室
1945年6月18日の夜、突如として発せられた解散命令。
数日のうちに100人以上が犠牲になった悲惨な状況を、生存者の証言映像や米軍が記録した映像を通して伝えます。
ひめゆり第四展示室
沖縄戦で命を落としたひめゆり学徒の魂を鎮める空間です。壁には227名の犠牲者の遺骨が飾られています。学生たちの生きた証言です。
生存者の証言集や、米軍から解散命令を受けてガス弾で攻撃を受け、多くの犠牲者を出した「ひめゆりの塔」(伊原第三外科壕)のガマの実物大ジオラマも展示されています。
第五展示室
ここからは第4展示室までとは違い、中庭の花々を見渡せる窓のある明るい空間です。
この部屋は前回の展示室を改装したもので、感想を書くため脇に設けられています。
この中庭には、亡くなった生徒や先生方の霊を鎮める意味があると言われています。
この中庭は、戦争の悲惨さを世界中の人々が忘れないように、過ちを犯すことのないように、花が咲き乱れ、美しい青い海が再び戦火に焼かれることのないようにとの思いが込められています。
第六展示室
第六展示室は平和を語る場です。
平和を次の世代に伝える拠点になればとの願いを込めて、2004年に建設された博物館。
6つの博物館には、戦争の悲惨さ、戦争の愚かさ、命の大切さを次世代に伝えたいという思いが込められています。
時間がない人は、ぜひとも第二、第三、第四展示室だけでも見学してみてください。第二、第三、第四展示室を最低でも見るべきであり、この三つを見れば、戦争の悲惨さが理解できるはずです。
多目的ホール
館内には6つの展示室のほか、100インチの映像スクリーンを備えた多目的ホールがあります。元ひめゆりの学生が講演をしたり、証言の映像を上映したりしています。
この多目的ホールでは、第二次世界大戦で失われた命、命の尊さ、戦争の恐ろしさを学ぶことができます。
知らないよりは知らない方がいい。
戦争を見たことのない世代でも、戦争について少しでも知ることが将来の平和につながる。
かつては語り部の証言を聞くことができましたが、、2004年4月からは、語り部の高齢化のため、証言の動画を上映するようになりました。
それでも、戦争の悲惨さや残酷さは色あせることなく伝えられています。
語り部のほとんどが戦争を体験しています。
平和な時代に生きているからこそ、過去の悲惨さを語り継いでいくことはとても大切なことだと思います。
ひめゆり平和祈念資料館の基本情報
・住所: 901-0344 沖縄県糸満市字伊原671-1
・アクセス: 那覇空港から車で30分(国道331号線を南下し
「平和祈念公園」の道案内に従って道なりに進む)
バス「那覇バスターミナル」~「糸満バスターミナル」(約30分~40分)
~「玉泉洞」(約15分)~「ひめゆりの塔前」下車すぐ
※本数少ないので注意
・営業時間: 9:00~17:30(入館は17時まで)
・定休日: 年中無休・電話番号: 098-997-2100
・料金: 大人310円 / 高校生210円 / 小・中学生110円 ※ひめゆりの塔は無料です
・所要時間: 約30分~1時間
・オススメの時期: 夏休み・6月23日(慰霊の日)
・公式サイトURL: http://www.himeyuri.or.jp/JP/intro.html
ひめゆり平和祈念資料館のバリアフリー情報
車いす(5台)/ベビーカー(2台)/身障者用トイレ(オストメイト)有り
(引用:おきなわ物語)
5.周辺案内
ひめゆり学徒散華の碑
ひめゆりの塔から車で15分、本島の南端にある荒崎海水浴場は、逃げ場を失った学生たちが自殺に追い込まれた場所です。
「ひめゆり散華の跡」の碑があります。
ひめゆり学徒散華の碑の基本情報
・住所: 沖縄県糸満市字束里
・アクセス:字上里にある「糸豊環境美化センター」正門の脇の農道を荒崎海岸への案内標識
に従い、海に向かう。
・電話番号: 098-840-8111(糸満市役所)
・参考サイトURL: http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/docs-kankou/2013022300247/(糸満市公式HP)
ひめゆり学徒散華の碑のバリアフリー情報
バリアフリーに関する情報は直接お問い合わせください。
電話番号: 098-840-8111(糸満市役所)
平和祈念公園
沖縄の終戦の地、馬文院にある県立公園です。ひめゆりの塔から車で約5分。
沖縄戦で戦死した戦友の名前が刻まれた祈念碑「平和の礎」「平和の火」や、六角形の白い塔「沖縄平和祈念館」など、見所がたくさんあります。
毎年6月23日を慰霊の日として「沖縄全戦没者追悼式」が行われています。
平和祈念公園の基本情報
・住所:沖縄県糸満市摩文仁545
・アクセス:(1)那覇(バスターミナル)→糸満(バスターミナル)約45分
バス番号:89,33,46番
(2)乗り継ぎ/糸満(バスターミナル)→玉泉洞線(平和祈念公園下車)約30分
バス番号:82番
・時間:9:00~17:00(季節により17:30)
・定休日: 平和祈念資料館 月曜
・電話番号: 098-997-2765
・料金:公園無料
平和祈念資料館 大人300円・子供150円
平和祈念堂 大人450円・中高生250円
・公式サイトURL: http://kouen.heiwa-irei-okinawa.jp/
平和記念公園のバリアフリー情報
点字誘導ブロック有
多目的トイレ有
オストメイト対応
車いす有
(引用:沖縄県バリアフリーマップ)
糸満市平和祈念祭
糸満市では、6月23日を「慰霊の日」、慰霊の日の前の1週間を「平和週間」と定め、沖縄の戦没者の魂を慰め、平和を祈願しています。
平和週間には、「沖縄のすべての戦没者を追悼し、世界の永続的な平和を祈念する」ため、糸満市平和祭が開催されるほか、平和をテーマにしたトークショーや沖縄戦没者の手記の朗読などが行われます。
糸満市公設市場
糸満漁港に隣接する公設市場。
珍しい熱帯魚や沖縄のかまぼこ、沖縄の豆腐などを販売するお店や、レストランやカフェなどがあります。
第4日曜日(2ヶ月に1回)には、フリーマーケット「ちむちむ市」が開催されています。
手作り雑貨や食品のブースのほか、ライブやダンスなどのイベントブースもあり、賑やかなイベントとなっています。
糸満市公設市場の基本情報
・住所: 沖縄県糸満市糸満989
・アクセス:公共交通機関…那覇バスターミナルから89番、糸満市場入口下車すぐ
車…那覇空港より国道331号線経由、糸満市役所方面へ車で約35分
・営業時間: 6:00~20:00 店舗によって異なります。
・定休日: 日曜日
・電話番号: 098-840-3100(糸満市観光協会)
・料金: 入場無料
・参考サイトURL: たびらい
糸満市公設市場のバリアフリー情報
バリアフリーに関する情報は直接お問い合わせください。
電話番号: 098-840-3100(糸満市観光協会)
糸満観光農園
広々とした敷地内には、パークゴルフや乗馬、トロピカルフルーツがいっぱいのガーデン、パッションフルーツやアセロラを使った「糸満ワイン」の試飲・販売ができるワインミュージアムなどがあり、子供から大人まで楽しめる施設です。
糸満観光農園の基本情報
・住所: 糸満市摩文仁1018
・アクセス:公共交通機関…平和祈念堂入口下車、徒歩約10分
車…那覇空港から車で約40分
・営業時間: 9:00~18:00(夏季~19:00)
・定休日: 無休
・電話番号: 098-997-2793
・料金: 入場無料
・公式サイトURL:http://uchina-farm.jp/
糸満観光農園の
バリアフリーに関する情報は直接お問い合わせください。
電話番号: 098-997-2793
沖縄陸軍病院之塔
この碑は、沖縄戦争末期に沖縄陸軍病院に勤務し、負傷兵の治療にあたった43人を記念して、昭和39年に建立されたものです。
沖縄陸軍病院の近くには、地面にぽっかりと穴が開いたような山城陸軍病院の掘っ立て小屋跡があります。整備されていないのですが、自己責任で見学することができます。どちらも当時を思い起こさせ、当時の悲しさが伝わってきます。
沖縄陸軍病院之塔の基本情報
・住所: 〒901-0352 沖縄県糸満市 伊原279
・公式サイトURL: http://www.city.itoman.lg.jp/kankou-navi/docs-kankou/2013022300216/
沖縄陸軍病院之塔のバリアフリー情報
バリアフリーに関する情報は直接お問い合わせください。
電話番号:098-840-8111(糸満市役所)
ひめゆり会館
ひめゆりの塔の近くにある沖縄県最大級のお土産・食事・休憩所で、レストラン・ホールには1,048席があります。
レストラン・ホールの座席数は1,048席で、地元の食材を使ったお弁当や沖縄そば、タコライスなどの沖縄料理を提供しています。
沖縄のお土産全般を販売しているお土産屋さんや、アメリカ生まれ沖縄育ちのアイスクリーム屋さん「ブルーシール」のアイスクリームを販売しているパーラーもあります。
ひめゆり会館の基本情報
・住所: 〒901-0344 沖縄県糸満市伊原734
・営業時間: 9:00~18:00
・電話番号: 098-997-3000
・公式サイトURL: http://www.himeyuri.co.jp/
ひめゆり会館
バリアフリーに関する情報は直接お問い合わせください。
電話番号: 098-997-3000
うちなーファーム
“食べる・伝える・遊ぶ “を楽しむことができるうちなーファーム。
一年を通して旬の野菜を使った絶品料理の数々を提供しており、オリジナルのピザやカレー、サラダのほか、青空の下でのBBQも楽しめます。
オリジナルのピザやカレー、サラダはもちろん、青空の下でのBBQも楽しめます。
お腹を満たした後は、動物たちとのふれあいはいかがでしょうか。
アセロラやバナナなどの果物や花の風景を楽しみながら水牛車を体験したり、小動物とのふれあいや乗馬体験ができます。
パークゴルフやロープアドベンチャーなど、家族みんなで楽しめるアクティビティが充実しています。
うちなーファームの基本情報
・住所: 〒901-0333沖縄県糸満市摩文仁1018
・アクセス: 那覇空港から国道331号へ。そこから331号を糸満方面へ車で30分。
・営業時間: 9:30~17:30(最終入園17:00)
・定休日: 毎週水曜日(祝日を除く)
・電話番号: 098-997-2793
・公式サイトURL: http://uchina-farm.jp/
うちなーファーム
バリアフリーに関する情報は直接お問い合わせください。
電話番号: 098-997-2793
まとめ
ひめゆりの塔という言葉を聞いたことがない方もいるかもしれませんが、沖縄を訪れた際には必ず訪れたい場所の一つです。
命の大切さ、平和の大切さを思い知らされる場所です。
沖縄には素晴らしい自然や観光スポットもありますが、平和祈念資料館を訪れることで、戦争の悲惨さや命の尊さを知ることができます。