山梨県の観光スポット忍野八海。富士山を望むことができる世界文化遺産
山梨県 忍野 絶景公開日 : 2020年09月22日 | [更新日] 2024年10月01日
山梨県に行くなら忍野八海に立ち寄ってみませんか?
忍野八海は、富士山の伏流水に由来する湧水池で、天然記念物にも指定されています。
山梨県にあり、新宿駅から電車で約90分。山梨県の新宿駅から電車で約90分、東京からでもかんたんにいくことができます。
自然の恵みに溢れ、訪れる人を魅了しないことのない忍野八海の見どころをご紹介します。
1.忍野八海とは?
忍野八海とは、山梨県にある湧水群のこと。
富士山でろ過された雪解け水が湧き出る場所で、8つの異なる泉質の泉群があるのが特徴です。
湧き出る水は長い年月をかけて磨き上げられたもので、日本の名水百選にも指定されています。また、富士山を望むことができ、世界文化遺産にも登録されています。
昭和9年には国の天然記念物に指定されたことで注目を集めました。特に湧池には55mの水中洞窟があり、有名な忍野八海の一つです。
2.忍野八海を構成する8つの泉
忍野八は以下の8つの池で構成されています。
いずれも湧水池で、水量は様々ですが、一秒ごとにたくさんの水が出てきます。
そして、どの池にも歌が刻まれた石碑があります。
①涌池
忍野八海の中で最も湧水量が多い湧池。
お店が一番多く並んでいて、とても賑やかなスポットです。お土産を買うのにも最適な場所です。
桜の季節には桜が咲くので、花と池のコラボレーションは圧巻です。池には珪藻類が密集しており、池の穴は全長55mの洞窟になっています。
1秒間に2.2立方メートルもの水が流れる水量は圧巻です。
以下では、大きさが大きい順に紹介していきます。
②出口池
1,467平方メートルで、忍野八海最大の池です。
他の7つの池から離れた場所にあるため、訪れるのは少し難しいかもしれません。
しかし、出口稲荷大明神の祠や周囲の自然もあり、池の荘厳な雰囲気を感じることができる場所です。
この池は忍野八海で最も神聖な場所と言われており、碑には「あめつちの ひらける時にうこきなき おやまのみつの出口たうとき」という和歌の碑文が刻まれています。
最大級の池であり、迫力がありますが、水深は50cmほどと浅いです。
③菖蒲池
池の周りにはショウブなどの植物が植えられています。
この池のショウブで大病を治したという言い伝えがあるため、パワースポットとしても有名な池です。
池が沼のような形をしていて、菖蒲の森が生い茂っていることから菖蒲池と名付けられました。
月ごとに水量が変わるという面白い池です。池の水面の長さは281メートル。石碑には、代々受け継がれてきた歌が刻まれています。
菖蒲池に来たら、その奥にある「忍草浅間神社」にもぜひお参りを。
忍草浅間神社は、807年(大同2年)に創建された歴史のある神社です。
境内には、鎌倉時代を代表する彫刻家・運慶の作とされる貴重な金剛力士像が安置されています。
境内にはイチイの巨木が豊富に生え、秋には真っ赤な実をつけます。
高さ37mの大ケヤキも見ごたえあり。秋にはオレンジ色に染まった紅葉を楽しむことができます。
イチイの群落は県の天然記念物に指定されており、ケヤキの大木は集落の重要文化財に指定されています。
④底抜池
この池は、池で食器を洗っていた人が水に飲み込まれて消えてしまったことから名付けられたそうです。
伝説と聞くと怖い池のように聞こえますが、実際には水深1.5メートルしかないそうです。
こちらの底抜池は私有地となっており、忍野八海唯一の池です。
⑤鏡池
富士山の写真を撮るならここ、鏡池がおすすめです。
水面にくっきりと富士山が映り込んでいて、富士山の逆さ撮りが綺麗に撮れる最高のスポットです。
富士山が水面にくっきりと映り込んでいることから、この池が鏡池と呼ばれる理由がわかると思います。
特に頂上が雪に覆われている時の富士山の美しさは格別です。春に来れば、この逆さ富士を見ることができますよ。
鏡池の伝説では、晴れた日には水面に映る富士山が見える鏡池の水には、すべての物事の善悪を見分ける霊的な力があると言われています。
そのため、部族内で争いが起きたときには、身を清めるためにこの池で沐浴していたそう。
⑥銚子池
この銚子の池は縁結びの池として知られています。
昔、結婚式の時に花嫁が放屁をしたそうです。
それを恥じて、銚子を持って池に身を投げたそうです。その時履いていた草履が池の底に見えることがあると言われています。
深さが3メートルほどあり、長柄の銚子に似ていることから、この池と名付けられました。
碑に刻まれた石には、「くめばこそ銚子の池もさはぐらんもとより水に波のある川」という和歌があります。
⑦濁池
”むかしむかし、この地にみすぼらしい修行者がやってきて、飲む水を求めました。
老婆が水を飲むのを拒むと、それまで飲み水として使っていた池が急に濁ってしまった。”
この伝説から池は濁池と名付けられました。
現在は井戸水が池に流れ込んでいるので、水質は今でもきれいです。
また、川に隣接しており、一部が濁っていることから濁池とも呼ばれています。全体的には比較的澄んでいてきれいな池です。
池に埋設されている石碑には、「ひれならす竜の都のありさまをくみてしれとやにごる池水」と刻まれた歌があります。
⑧御釜池
三釜池は忍野八海で一番小さい池で、わずか24平米しかありません。
わずか24平米と小さく、大きさは14畳ほど。しかし、深さは4メートルもあるので、うっかり池に落ちてしまうと大変なことになります。
ちなみに、池の中から大きなヒキガエルが現れて、娘を池に引きずり込んだという伝説があります。
大釜池という名前はこの池から来ているので、違う意味を期待してはいけません。
大釜池は忍野八海の中でも最も深い池の一つで、水深は最大で7mにもなります。
4.忍野八海の豆知識
忍野八の基礎知識や各池の特徴は理解していただけたでしょうか。
ここからは、忍野八をより深く知っていただくための豆知識をご紹介していきます。
有名な山中湖と繋がっていた?
忍野八海は富士山の雪解け水から湧き出た池ですが、元々は湖だったんです。
延暦19年(西暦800年)に富士山が噴火し、もともと忍野村にあった「宇津湖」という巨大な湖が溶岩によって2つに割れてしまいました。
分裂した二つの湖は山中湖と忍野湖と呼ばれていくように。
しかし、富士山の噴火の活発な時期を経て忍野湖の水が枯渇し、富士山の伏流水を源流とする湧水池が誕生しました。
富士山の伏流水を源流としています。その代表的な池が「忍野八海」なのです。
富士信仰の聖地
忍野八海はもともと富士信仰の聖地で、八つの池に巡礼したりしていました。
しかし、明治元年以降、富士信仰は次第に衰退し、巡礼を行う人々の姿は見られなくなりました。
東円寺に奉納された元八湖の版図には、忍野八海の第一霊場から第八霊場までの各霊場でのお祓いやお祓いのルートが描かれているという。
このような富士信仰とのつながりから、現在では世界遺産の富士山の一部となっています。
富士山信仰というと、お祓いやお祓いの場所だったことを考えると、さらに不思議な感じがしますね。
忍野八海の基本情報
・アクセス:
【電車】富士急行大月線に乗り、富士山駅下車。そこからバス「ふじっ湖号」に乗り、「忍野村役場前」バス停で下車します。
【車】東名高速道路の御殿場I.C.から国道138号線経由で忍野村まで約45分です。
・リンク:忍野村観光サイト
忍野八海まとめ
忍野八海は、富士山にゆかりの深い池です。
それぞれの池には伝説があり、富士山参拝者が信仰を清め磨き、神聖で神秘的な雰囲気を感じることができる場所となっています。
山梨県の観光スポットといえば、河口湖や富士急ハイランドが有名ですが、こちらもおすすめです。
おじいちゃんおばあちゃんと一緒に家族みんなで楽しむにはもってこいの場所です。また、大自然を感じながら一日を過ごすのにも最適な場所です。
その名の通り、8つの泉があるので、じっくりと探索して制覇しましょう。
それぞれの場所で湧き出る面積や水量が違うので、ぜひチェックしてみてください。
美味しい空気と美しい景色を堪能してくださいね。