原爆ドームの歴史・見どころまとめ。周辺観光情報付き。
広島県 観光公開日 : 2020年11月21日 | [更新日] 2024年12月01日
第二次世界大戦は、日本国民に辛い記憶を残しました。
原爆ドームは、当時の惨状を物語るものでありながら、未来への平和を訴え続けているものでもあります。
今では日本だけでなく海外からも観光客が訪れるようになったこの場所の見どころをご紹介します。
1.唯一残った原爆ドーム
原爆ドームは、現在もその荘厳な姿を保っています。
当時、数千度にも及ぶ熱風に耐え、原爆と戦争の恐ろしさを今日まで伝えてきました。
もともとはチェコの建築家ヤン・レッツルの設計で、広島県産品の展示場として使われていました。
当時の熱気で、建物の中に座っていた人の影がコンクリートの壁に焼き付いたと言われています。
被爆前は物産展館
原爆ドームは、明治末期に広島県産品の販路拡大を目的とした「広島県物産展館」として建設されました。
日清戦争中、広島市に大本営が置かれると、軍事都市として急速に発展しました。
経済の拡大に伴い、広島県物産館が建設され、広島市の経済発展の拠点となりました。
日本で初めてバウムクーヘンを販売した場所でもあります。
奇跡的に姿をとどめたドーム
原爆ドームは1945年8月6日、爆心地からわずか160メートルの距離で被爆しました。
爆風がほぼ真上から来ていたため、建物の壁の一部は崩壊を免れたと言われています。
爆発の1秒後には3階建ての建物本体がほぼ全壊し、その威力の凄まじさを物語っています。
衝撃波の方向が真上だったこと、爆風が窓から吹き抜けたこと、ドームが銅板でできていたことなどから、ドームが倒壊しなかったと言われています。
平和への願い:世界文化遺産登録
原爆ドームは、1996年12月、人類史上初めて核兵器が使用されたことの悲惨な結果を伝え、核兵器廃絶と世界恒久平和の重要性を時代を超えて訴え続ける人類共通の平和の記念碑として、ユネスコの世界遺産に登録されました。
当初、この記念碑の世界遺産登録には多くの国が消極的でしたが、原爆を2度とおとさないことと平和への願いの関連性が明らかであることから、世界遺産登録の基準を満たしていると判断されました。
2.夜のライトアップ
原爆ドームは夜になるとライトアップされ、昼間のものよりも無骨さを感じさせない柔らかな印象になります。
昼間の顔と夜の顔、様々な顔が映し出され、観光客に当時の雰囲気を蘇らせています。
戦争の悲惨さを知らない人でも、原爆ドームの厳かな雰囲気を感じることができるでしょう。
3.川からの眺め
川側から原爆ドームを見ることができるので、また違った景色を見ることができます。
間近で見ると、そのドームの壮大さに圧倒されます。
原爆ドームの大きさにも心動かされますが、その存在感にも威圧感があります。
別の角度から広島のことを学ぶのもいいですね。
広島市河川遊覧船とひろしま世界遺産航路
水と川の街としても知られる広島。市内をゆったりと流れる川と、遠くに浮かぶ島々が織りなす瀬戸内海を中心にクルージングを楽しむことができます。
【クルージング案内URL: http://www.hiroshima-navi.or.jp/information/1876.php】
広島世界遺産ルートは、2つの世界遺産である原爆ドームと宮島を結ぶクルーズ。
川や海を渡りながら景色を楽しみ、世界遺産の観光を満喫できます。
船窓から見る街並みは、いつもとは違った景色を見せてくれ、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
4.「広島平和記念資料館」
平和記念資料館は、被爆者の遺品や原爆の惨状を描いた写真などを収集・展示し、被爆前後の広島の歴史や核時代の状況を紹介しています。
広島平和記念資料館は、本館、東館、特別展の3館で展示しています。
東館のパネルでは被爆前後の街の変化を、本館のパネルでは放射線、爆風、熱線、火災などの被害状況を紹介しています。
東館では、原爆投下前後の街の変化をパネルで紹介しています。
5.原爆投下の目標地「相生橋」
相生橋は、平和記念公園の北側入口にあります。
川の両岸を東西に結ぶ橋と、橋の中央から平和記念公園のある中島町まで南に伸びる橋の2つの橋からなり、T字型になっています。
その独特の形から、この橋は原爆の標的になったと言われています。
6.原爆ドームへは、人々を勇気づけた路面電車で
原爆ドームを訪れる際には、広島電鉄の路面電車は欠かせない交通手段。
広島電鉄は原爆投下で大きな被害を受けました。
123両の車両のうち108両が損傷し、河川の幹線もほとんどが破壊されました。
しかし、原爆に屈することなく、すぐに広島市や軍部と協力して列車の復旧に取り組み、原爆投下からわずか3日後には己斐~天満町間で列車が復旧し、多くの市民を勇気づけました。
7.現在の平和な町並み
現代の街を背景にしたビジュアルは、きっと印象に残ることでしょう。
かつての戦争で失われ、たった一棟しか残っていない街の発展を感じることができます。
現在の建物や人々の生活の幸せを感じずにはいられません。
原爆ドームの周りを歩いていると、平和に思いを馳せながら、他にもたくさんの施設やモニュメントがあります。
心に焼き付いている情報をじっくりと見ていかなければならないことを思い知らされる数少ない場所です。
8.合わせて訪れたい原爆ドーム周辺観光
①約束が刻まれた石像
「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」
この文言でとても有名な碑です。
碑を風雨から守るように立つ石像は、強い意志と決意の表れなのでしょうか。
今もたくさんの花が敷かれ、多くの人が手を合わせています。
石像のアーチの前に立つと、「平和の光」とその向こうに原爆ドームが見えます。
像の中央には、国内外で亡くなった被爆者の名簿が石室に保管されています。
この名簿は関係者の要望により毎年更新されています。
②原爆の子の像
原爆ドームを訪れたら忘れてはならないのが「原爆の子の像」です。
この像は、かつて被爆し白血病で亡くなった佐々木禎子さんをはじめ、多くの被爆した子どもたちの慰霊像です。
毎年修学旅行シーズンになると多くの生徒が千羽鶴を持って黙祷を捧げに来るようになりました。
この被爆児童像は1958年に建立されたもので、佐々木禎子さんの同級生などの募金活動のおかげです。この募金運動で集まったお金は、日本だけでなく海外からも集まったそうです。
中には折り鶴の形をした重りが入った鐘があり、風に当たると揺れて鐘がなります。
核兵器のない世界をめざして
平和記念公園の原爆慰霊碑前では、毎年8月6日には、原爆犠牲者のご遺族や多くの市民の参加を得て、原爆犠牲者の魂を追悼し、世界恒久平和を祈念する「平和祈念式典」が開催されています。
式典中に広島市長が行った平和宣言は、世界各国に向けて発信され、核兵器の廃絶と恒久的な世界平和の実現を訴え続けています。
原爆ドームの基本情報
・住所:〒730-0051 広島県広島市中区大手町1−10
・アクセス:JR広島駅から
路面電車(広島電鉄)
2号線「広電宮島口」行き・「広電西広島」行き、
もしくは6号線「江波」行き乗車、「原爆ドーム前」下車すぐ(所要時間約20分)
・公式サイト:https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/atomicbomb-peace/163434.html
原爆ドームのバリアフリー観光情報
・車椅子貸し出しあり
・補助犬同伴可能
・多目的トイレあり
(引用:広島バリアフリーツアーセンター)