奈良を代表する観光地「唐招提寺」で鑑真の軌跡を訪ねよう
奈良県 観光公開日 : 2020年11月14日 | [更新日] 2025年01月01日
奈良を代表する観光地の一つ、唐招提寺。
鑑真上人が開基した律宗の総本山でもあります。
国宝にも指定されており、世界遺産にも登録されているので、ぜひ訪れたい観光スポットです。
2010年に大規模な改修工事を経てリニューアルオープンした金堂は見逃せません。
皆さんの社会科の教科書にも出てくるであろう、日本史の中でも非常に重要な場所であるこの場所の歴史や見どころをご紹介します。
1.鑑真とは
鑑真(688~763)は、奈良時代に唐から仏教を広めるために来日した高僧。
日本への渡航は困難で、5回も失敗、視力を失ったにもかかわらず、日本への渡航を諦めず、七五三年にようやく日本への渡航に成功しました。
この時、彼はすでに66歳でありました。
彼の苦難を乗り越えて仏教を広めた人生は、井上靖の小説「天平の甍」でよく知られています。来日後すぐに東大寺に入りましたが、後に唐招提寺を開山して新戒を広めました。
唐招提寺にある『鑑真和上像』は、天平時代の彫刻の傑作です。
2.唐招提寺とは
唐招提寺は、南都六宗の一つである律宗の総本山で、1998年にユネスコの世界遺産に登録。
境内には金堂・講堂・宝蔵・鼓桜などの伽藍(がらん)が建ち並び、いずれも国宝に指定されています。
3.唐招提寺の見どころ
唐招提寺の見どころ1.金堂
本堂は、日本で唯一現存する天平時代の金堂建築。
南門を入るとすぐに目に飛び込んでくるのが、1,200年前から変わらない美しい曲線の屋根と力強い柱。
阪神・淡路大震災後に改修されたとはいえ、屋根を支える邪気など、天平時代の意匠を今に残しています。
エンタシスの柱は、等間隔と思われがちですが、中央が広く、端に向かって細くなっています。
唐招提寺の見どころ2.千手観音立像
本堂には全部で9体の仏像が安置されていますが、中でも目立つのが千手観音立像、盧遮那仏坐像、薬師如来立像の3体です。
千手観音立像はその名の通り、千本の腕を持つ迫力ある姿で見る者を魅了します。
手が42本で「千の手」を意味する像が多い中、唐招提寺と大阪の葛井寺にあるこの像は本当に千の手を持っています。
眉間の第三の目「手のひらの目」にも注目です。
眉間にある第三の目”手のひらの目”にも注目です。
唐招提寺の見どころ3.年中行事 「うちわまき」
毎年5月に行われる「うちわまき」は、唐招提寺中興の祖・覚盛上人の命日に尼僧が扇子を作って住職に献上したという伝説にちなんで名づけられました。
この扇子は、畑の魔除けや虫除けのお守りとして、また安産のお守りとして重宝され、人々は散った扇子を競い合っています。
うちわまきの前には、講堂で法要が行われ、荘厳な舞と音楽に合わせて舞楽の奉納が行われます。
唐招提寺の見どころ4.鑑真大和上坐像・御影堂障壁画特別開扉
この像は、天平文化を伝える彫刻の至高の作品と言われています。
通常は御影堂に安置されていますが、毎年3日間は御影堂の扉を開けて拝観することができます。
唐招提寺の見どころ5.境内の草木・草花
「鑑真大和上ゆかりの瓊花」
瓊花(けいか)は、鑑真大和上の故郷の江蘇省揚州市の名花で、日本では珍しい花です。
「蓮の花」
仏壇前の蓮池は、奈良を代表する蓮の花の名所です。見頃は6月下旬から8月上旬です。
「鑑真大和上の御廟に続く苔」
鑑真大和上のお墓である御廟へと続く苔の緑の絨毯は見事です。
土塀をくぐると景色が一変し、天平の昔に思いを馳せることができます。
唐招提寺の基本情報
・住所: 奈良五条町13-46
・アクセス: 奈良交通六条山行バス17分「唐招提寺」下車すぐ
・拝観時間: 8:30~17:00(受付は16:30まで)
・電話番号: 0742-33-7900
・料金: 大人・大学生600円 / 高校生・中学生400円 / 小学生200円
【御影堂】大人・大学生500円/高校生・中学生300円/小学生200円
【新宝蔵】大人・大学生・高校生・中学生100円/小学生50円
・公式サイトURL: http://www.toshodaiji.jp/
唐招提寺のバリアフリー観光情報
バリアフリーに関する情報は直接お問い合わせください。
電話番号: 0742-33-7900
唐招提寺まとめ
唐招提寺と鑑真和上についてご紹介しました。
古くから日本人の信仰の対象となってきたお寺ですが、1998年に世界遺産に指定されて以来、観光地としてさらに静かな人気を博しています。
井上靖の有名な小説にも描かれているように、とても重厚な雰囲気に包まれた天平時代のロマンと歴史を感じることができる場所です。
派手なスポットではありませんが、この記事の情報が静かに訪れる際の参考になれば幸いです。