醍醐寺のおすすめ観光スポットまとめ!四季折々の自然美に触れよう
京都府 観光公開日 : 2020年09月06日 | [更新日] 2024年09月01日
世界遺産に登録されている醍醐寺は、京都の重要文化財の一つです。
しかし、醍醐寺はとても大きすぎて、何を見に行けばいいのか迷ってしまいます。
そこで今回は、醍醐寺の魅力をご紹介したいと思います。
醍醐寺とは?
醍醐寺は真言宗醍醐派の総本山で、伏見区の東に位置する醍醐山に200万平方メートルを超える広大な境内を有しています。
このお寺は、874年(承願16年)に空海の弟子である理源大師聖宝が創建したとされています。
醍醐寺は、創建時より修験者の聖地として発展しただけでなく、歴史もあります。また、豊臣秀吉が開催した花見祭りを祝うために、現在の和歌山県から醍醐山に移築されました。
その後、醍醐天皇が醍醐寺を自らの祈願寺とし、天皇の手厚いご愛顧を受けました。
醍醐寺には上醍醐と下醍醐がありますが、この2つの場所は険しい山道で隔てられており、歩いて1時間ほどかかります。
下醍醐地方は、その圧倒的な財力によって発展してきました。つまり、当時の醍醐天皇の財力が下醍醐の華やかな背景に影響を与えたのです。
醍醐の花見とは?
慶長3年(1598年)の春、秀吉は近畿各地からつぼみのある桜700本を注文して植え、三宝院の建物と庭園を作り、豪華な花見宴を開きました。
当時の日本最大の花見行事だったと言われています。この行事を記念して、毎年4月の第2日曜日に「豊太閣花見行列」が開催されています。
醍醐の花見は京都の桜の名所100選にも選ばれています。豊臣秀吉、北諸侯、淀殿などの近親者や大名、その部下を招いて行われる盛大な行事です。
秀吉が晩年に主催した「醍醐花見」は、九州征伐直後に行われた北野大茶会と同じものと言われています。
この花見の儀で書かれた短冊は「醍醐花見短冊帖」として今でも三方院に保管されています。
醍醐寺で見たい3つのエリア
下記では、醍醐寺にある「上醍醐」「下醍醐」「三宝院」の3つのエリアと、それぞれのエリアでの参拝スポットをご紹介します。
醍醐寺では、広大な境内に歴史的建造物が多く、桜や紅葉が見られ、自然の美しさと歴史を感じることができます。
京都を代表する観光スポットの一つで、世界中から多くの人が訪れています。
エリア①西国一険しい札所「上醍醐」
上醍醐は標高450mの山頂にあり、下醍醐からは2km以上の険しい山道を登らなければなりません。
しかし、この難所の先には、国宝や重要文化財の建造物など、様々な見どころが待っています。
昔は女性の立ち入りが禁止されていた修験の地でもあります。
また、そこから「醍醐水」が湧き出るという不思議な場所でもあります。
醍醐寺が建立されて以来、多くの人々を豊かにしてきた「醍醐水」。
現在では、自然の恵みであるため、この湧き水をそのまま飲むことは制限されています。
この湧き水は、醍醐寺の売店で購入することができます。この水はとても柔らかく、そのまま飲んでも十分美味しいのですが、お茶やコーヒー、粉ミルクなどにも適しています。
女人堂
上醍醐登山口の成身院。上醍醐地方は女性の立ち入りが禁止されていたため、昔はここから山中の諸仏を参拝していました。
そのため、通称「女人堂」と呼ばれています。
薬師堂
上醍醐の中心部に位置しています。平安時代末期に醍醐天皇の社殿として建てられました。
現在のお堂は1121年に再建されたもので、上醍醐地方で最も古く貴重な建造物です。
醍醐寺の本尊である国宝「薬師三尊」は、現在、下醍醐の「霊宝館」に安置されています。
清滝宮拝殿
室町時代の1434年(永享6年)に再建されました。檜皮葺きの切妻屋根が特徴的な建物です。
醍醐寺の守護神で、中国・長安の青龍寺から弘法大師(空海)が勧請した密教の守護神・清滝権現を祀っています。
エリア②華やかな「下醍醐」
下醍醐(しもだいご)は、金堂と三宝院を中心にした豪華な大伽藍です。その中でも、京都最古の建造物である五重塔は、下醍醐エリアを代表するものです。
五重塔は、下醍醐地区の年中行事である「万灯会」の時には、金色にライトアップされた姿を見ることができます。
実は応仁の乱で下醍醐地区のほとんどが焼失。
その後、何度も焼失して再建されました。しかし、五重塔は建立当時のままの姿で残っています。
上醍醐地区とは対照的に、下醍醐地区はとても華やかで見所がたくさんあります。
金堂
醍醐寺の本堂です。現在のお堂は、2度焼失したため紀州から移築されたと言われています。
入母屋造の切妻屋根で、内陣と外陣の間に仕切りがないのが特徴のお堂です(再興)。内部には本尊と薬師像3体が安置されています。
五重塔
醍醐寺の見どころの一つである五重塔。創建は951年。高さ38mで、京都最古のものと言われています。
五重塔の1階の内部には、両界曼荼羅や大日如来像などが描かれています。五重塔の壁画は国宝に指定されています。
弁天堂
七福神の一つである弁財天が祀られている弁天堂。朱塗りの橋を渡ってお参りすることができます。
秋には朱塗りの弁天堂と橋が池に映り込み、紅葉の名所となっています。
また、下醍醐地区は仏教建築を楽しむことができる場所でもあります。
そのため、重要文化財に指定されている建物が多いです。五重塔内部の壁画には現存する最古の空海の肖像画があります。
下醍醐地区の「観音堂」には、江戸時代に彫られた准胝観世音菩薩像があります。
エリア③豊臣秀吉ゆかりの「三宝院」
豊臣秀吉が主催した花見の祭典「醍醐の花見」が三宝院周辺で行われたと言われています。
紀州からこの三宝院周辺に寺の建築を移築したと言われています。
醍醐寺第14代住職の勝覚が1115年に灌頂院(かんじょういん)として開山しましたが、後に三宝院と改称しました。
その後、三宝院は1396年頃から真言宗修験者や山伏の取り締まりを行うようになったといいます。
唐門
この門は朝廷からの使者を迎える時だけに開かれていたと言われています。
門全体を黒漆で塗り、菊や桐の大紋には金箔が施されていました。
長い年月を経て落城しましたが、2009年から2010年にかけて行われた解体修理により、桃山時代の姿に復元されました。
表書院
三宝院亭は桃山時代を代表する建物です。
「醍醐の花見」の時に豊臣秀吉が自ら設計した三宝院庭園を見ることができます。
*三宝院庭園内は撮影禁止なのでご注意ください。
[三宝院庭園]
豊臣秀吉が「醍醐の花見」の際に自ら設計・造営した日本庭園です。
庭園は国の特別史跡・特別名勝に指定されており、池には「亀島」と「鶴島」、世界の名石「藤戸岩」、安土桃山時代の華やかさを伝える「三段の滝」が配置されています。
霊宝館
文化財の保存・展示を行う施設。春と秋の年2回、特別展が開催されています。
庭園には、春に咲く樹齢180年のしだれ桜の巨木があります。
三宝院は醍醐寺の総本山であり、歴代住職の住居でもあります。
三宝院の建物のほとんどが重要文化財に指定されており、庭園を見下ろす表書院は桃山時代を代表する建物の一つです。
当時の華やかな雰囲気を今でも感じることができます。
醍醐寺の四季
今回は、醍醐寺の四季折々の花をご紹介したいと思います。
「醍醐の花見」で一躍有名になった醍醐寺では、もちろん桜が目玉。しかし、実は醍醐寺では季節ごとに様々な花を楽しむことができます。
秀吉も魅了した春の桜
醍醐寺が全国的に有名な理由は、桜にあります。
京都最古の桜である三宝院の遅咲きのヤエボニシダレザクラ(通称:土牛の桜)や、東宮の桜の子孫である太閤千代しだれなどがあります。
春になると醍醐寺がピンク色に染まります。
豊臣秀吉が晩年に贅沢な「花見の宴」を開いたことから「花見の醍醐」と呼ばれ、今でも名所として有名です。
春には約800本の桜が境内を彩り、金堂横の大山桜が咲き終わるまでの約3週間、様々な種類の桜を楽しむことができます。
小道沿いにはピンク色の桜のトンネルがあり、樹齢100年を超えるソメイヨシノは必見ですよ。
桜のシーズンは3月中旬から4月中旬で、毎年20万人以上の人が訪れます。
夏は緑に輝く紅葉
醍醐寺の葉が緑に光り輝く夏がおすすめです。緑に囲まれた弁天堂もまた美しいですよ。
醍醐寺は、夏の暑さを吹き飛ばして涼をとるのに最適な場所です。
また、毎年8月5日には、参道に1000個以上の提灯が灯される「醍醐寺醍醐山万灯会」というイベントも開催されています。
参道に沿って1000個以上の提灯や提灯が灯され、金堂や五重塔がやわらかい光に照らされて幻想的な光景を見ることができます。
醍醐寺は広大な醍醐山の中にあり、豊かな自然に囲まれています。
総面積は300ヘクタールを超える森が広がっています。巨木が多く、どこに行ってもその姿を見ることができます。
スギ、ヒノキ、アカマツなどの針葉樹をはじめ、野鳥も多く生息しており、新緑の中で風の音や小鳥のさえずりを楽しむことができます。
秋の木版画のような紅葉
醍醐寺は桜の季節も美しいですが、美しい木版画のように色づく紅葉もおすすめです。
ライトアップされた紅葉の幻想的な世界に魅了されることでしょう。
京都の秋は紅葉のベストシーズンであり、多くの観光客が訪れる時期です。
どこに行っても大変混雑しますが、落ち着いて紅葉を楽しみたい方には醍醐寺がおすすめです。
京都駅から離れているため、紅葉を楽しむことができる人気のスポットとなっています。
モミジ、イチョウなどの落葉樹が多く、三宝院では紅葉を楽しむことができます。
冬の醍醐寺の幻想的な雪
雪が降ると醍醐寺は幻想的になります。そして、醍醐寺の静けさを楽しむこともできます。
桜や新緑、紅葉もいいですが、醍醐寺を訪れる季節はそれだけではありません。
冬になると、また違った醍醐寺の美しさを楽しむことができます。紅葉の季節には多くの人が醍醐寺を訪れますが、休憩したかのような静けさを感じることができます。
穏やかな時間が流れていくのを感じることができます。
醍醐寺の行事
醍醐寺の様々なイベントを紹介したいと思います。醍醐寺を訪れた際には、これらのイベントに行ってみてはいかがでしょうか。
五大力尊仁王会
毎年2月23日には、「五大力さん」と呼ばれる「五大力尊仁王会」が行われます。
この行事は、不動明王などの五大明王の力を受け、五大力菩薩の化身を通して、人々の平和と幸福を願うことを目的としています。
この行事は非常に古く、醍醐天皇の時代の907年に始まったと言われています。
豊太閤花見行列
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毎年4月の第2日曜日に行われる豊太閤花見行列。
実は醍醐寺は安政時代から「花の醍醐」と呼ばれています。
咲いている桜は、しだれ桜、ソメイヨシノ、山桜、八重桜など様々な種類があり、とても美しいと評判です。
1598年(慶長3年)の春、秀吉は近畿地方の桜700本を植えて花見の季節を祝い、三宝院の建物と庭園を造営し、これを記念して盛大な宴を開きました。
准胝観世音菩薩ご開扉法要
毎年、5月18日から1週間にわたって行われる行事が「准胝観世音菩薩ご開扉法要」です。
西国三十三所観音霊場の一つでもある本尊・准胝観世音菩薩を開山させる行事です。
醍醐寺万灯会
毎年8月5日には「醍醐寺万灯会」が開催されます。ご先祖様や霊を供養する行事です。
参道に沿ってたくさんの提灯や提灯が置かれ、「精霊供養法要」や「お施餓鬼供養」の儀式が行われます。
式典当日は、金堂や五重塔が特別にライトアップされ、いつもとは違った幻想的な雰囲気を醸し出します。